定期調査・検査の内容 PERIODIC SURVEYS/ INSPECTIONS
定期報告制度について
建築基準法においては、建築確認・完了検査などの手続きを定めることで、建築物を使用する前における適法性をチェックする体制を整えています。 一方で、建築物の使用が開始された後も、引き続き、適法な状態を確保し続けることが重要であるという考え方から、定期的な調査や報告を求めることとしています。これがいわゆる「定期報告制度」です。
具体的には、建築物の損傷や腐食などの劣化状況の点検を基本としていますが、不適切な改変行為などによって、違反状態を生じて いないかどうかのチェックも合わせて実施し、その結果を行政に報告することを建物所有者に義務づけています。
こうした法定の定期報告の実施に当たり、建築物の「調査」、建築設備・昇降機の「検査」については、それぞれ法令に基づく資格者でなければ実施できないこととされています。 R4.4.1の改正告示の施行により赤外線装置を搭載したドローン等による調査が可能になりました
定期報告の対象となる建築物等
- 不特定多数の者が利用する建築物及びこれらの建築物に設けられた防火設備
- 高齢者等の自力避難困難者が就寝用途で利用する施設及びこれらの施設に設けられた防火設備
- エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機
- 01、02、03以外の特定行政庁が指定するもの
A.建築物※1
対象用途 | 対象用途の位置・規模※2(いずれかに該当するもの) |
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劇場、映画館、演芸場 |
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観覧場(屋外観覧上を除く)、公会堂、集会場 |
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病院、有床診療所、旅館、ホテル、就寝用福祉施設 [詳細] |
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体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 (※いずれも学校に付属するものを除く、ただし特定行政庁が指定すれば学校も対象) |
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百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、物品販売業を営む店舗 |
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事務所その他これらに類する用途の建築物 |
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- ※1:該当する用途部分が避難階のみにあるものは対象外。政令指定のみ
- ※2:該当する用途部分の床面積が100㎡超のものに限る。政令指定のみ
- ※3:病院、有床診療所については、2階の部分に患者の収容施設があるものに限る。政令指定のみ
C.昇降機
対象 | 例外 |
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エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機(フロアタイプ) |
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D.防火設備
対象 | 例外 |
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上記Aの建築物の防火設備、病院、有床診療所または就寝用福祉施設※4の防火設備 |
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特定行政庁が指定する建築物についても、防火設備は報告対象とすることが可能 | - |
- ※4:該当する用途部分の床面積が200㎡以上のもの
- ※5:普段は閉鎖された状態となっており、開放してもドアクローザーなどで自動的に閉鎖状態に戻る方式のもの
E.準用工作物
対象 |
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観光用エレベーター・エスカレーター、コースター等の高架の遊戯施設、メリーゴーランド、観覧車等の原動機による回転運動をする遊戯施設 |
就寝用福祉施設の詳細
就寝用福祉施設(下表にあげる用途をいう)については、利用者が高齢者、障害者、妊産婦など火災時の避難に時間を要すると考えられる状態であることと、就寝時には火災の発生に気づくのが遅れるということに配慮し、避難上の安全を確保する観点から、定期報告の対象として指定している。
就寝用福祉施設 | 備考欄 |
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サービス付き高齢者向け住宅 | ※「共同住宅」「寄宿舎」「有料老人ホーム」のいずれかに該当。 |
認知症高齢者グループホーム、.障害者グループホーム | ※「寄宿舎」に該当 |
助産施設、乳児院、障害児入所施設 | |
助産所 | |
盲導犬訓練施設 | |
救護施設、更生施設 | |
老人短期入所施設 | |
小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の事業所 | ※「老人短期入所施設」に該当 |
老人デイサービスセンター(宿泊サービスを提供するものに限る。) | ※「老人短期入所施設に類するもの」に該当 |
養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム | |
母子保健施設 | |
障害者支援施設、福祉ホーム、生涯福祉サービス(自立訓練又は就労移行支援を行う事業に限る。)の事業所(利用者の就寝の用に供するものに限る。) |